中国の歌謡曲とJ-POPの作詞の違い
■中国の歌謡曲とJ-POPの作詞の違い
J-POPと中国の歌謡曲の作詞の違いは、中国の方がよく韻を踏むということにあります。例えばキロロの「未来へ」という曲の中国語カバーがありますが、このカバー曲と原曲を比較すると、その違いがはっきり出ます。
この曲のサビの歌詞は、4行で成り立っています。で、原曲の方はその4行とも韻を踏んでいないのですが、中国語カバーの方は、4行とも「あい」の音で揃えています。それも同じことばを使うのではなく、全部違う言葉、違う文字で韻を踏んでいます。愛、海、白、再という4つの字です。読みをカタカナで書くと「アイ、ハイ、バイ、ツァイ」となっており、全部「あい」の音です。
一方原曲はどんな歌詞だったかというと「足元を見てごらん」「歩む道」「前を見てごらん」「あなたの未来」で、全部韻を踏んでいません。強いていうなら、メロディが同じ部分は、「ごらん」で重なっていたり、「歩む道」と「あなたの未来」で、「い」の音で終わるなど、一応の統一性はあります。が、基本的に韻はまったく意識していない、と考えていいでしょう。リピートは意識しているかも知れませんが。
という風に、中国語の歌謡曲やポップスは、J-POPに比べて韻を踏んでいます。では、この違いはどこから来たのか?それは漢詩になります。
中国の漢詩は韻を踏みます。1行目、2行目、4行目の文末で韻を踏む、というようなルールがあったんですね。もしくは、偶数行は全部韻を踏む、とかそういうルールが。そのようなルールに基づいた漢詩という文化が、何千年も続いているから、自然と歌謡曲の作詞でも韻を踏むんだと思います。
一方の日本は、中国がそうした漢詩を書いていた時に何を書いていたのかというと、短歌を作っていたわけです。短歌はご存知の通り、五と七のリズムで進みます。
これは、日本の現代の音楽にも反映されています。演歌の作詞は、基本的に五と七の繰り返しによって作詞をしています。例えば美空ひばりの「柔」の場合、「勝つと思うな。思えば負けよ」もそですね。両方共七のリズムで書かれています。
演歌ではなくJ-POPの場合、完全に西洋音楽の影響を受けているので、五と七をベースとした作詞ではなくなっていますが、純日本的な演歌という文化であれば、その作詞も五と七がベースと言っていいでしょう。
という風に、両国が歩んだ歴史、育んできた文化が、そのまま現代の音楽の作詞にも現れているということですね。これはなかなか興味深いことではないかと思います。
ちなみに、中国人の方がよく韻を踏むと言っても、ラップの場合は違います。ラップの場合、そもそも中国ではラップが解禁されたのがつい最近であるため、韻を踏むこと以前に、ラップ自体にまだ中国人が慣れていないのです。少なくとも、日本人や韓国人ほどには。
それに対し、日本はラップが定着してからずいぶん経つので、ラップの中での韻踏みも、7文字や8文字という長い韻を踏むのは当たり前で、この点、中国のラップの韻踏みよりも進んでいると言えます。
もちろん、ラップバトルでも無ければ、韻を踏むのがそれほどの死活問題になることはないので、ラップだからと言って、そんなに韻を踏まなくてもいいとは思うのですが・・・。
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2012年11月29日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:徒然草


